秋分 僕だけ興味津々 ~コケの花を考える~2009年09月23日 (水)
皆さん、コケの花をご存知ですか?
見た事あるのではないでしょうか。
でも、これって植物学で言う所の”花”じゃないのです。
では、まず”植物学の花”とは何か?
それは種子植物(種で繁殖する植物)の
生殖器官と定義されるものになります。
雄しべと雌しべがあって受粉して
種をつくってという事が繁殖をする際に必要なのです。
故に種子植物は「顕花植物」とも呼ばれるわけですね。
ですから”花”をこのように定義した場合に
”コケの花”は植物学上では正しくない表現となります。
雌しべも雄しべもありません。
コケ植物は種じゃなくて胞子で増えますからね。
"花”は咲かないのです。
だから、コケ植物は「隠花植物」と呼ばれたりします。
それを知ってか知らずか小林一茶にこんな句があります。
庵の苔 花咲くすべも 知らぬ也
(一茶)
それじゃあ、我々が呼んでいる”コケの花”とは何ぞや?
正確に言いますと”朔(さく)”と呼ばれる器官になります。
中には胞子がつまっているのですね。
コケの種類によりますが多いものだと100万個もの
胞子を中に入れているものもあるのですよ!!
しかも、この胞子はかなりタフに出来ています。
有害な紫外線、極度の乾燥、低温に対する
高い抵抗性があるんだそうです。
しかも極小の為、風に吹かれて成層圏まで
舞い上がっているとも言われます。
このタフさはすぐに発芽せずに発芽に適した条件を長~~く
待つためだと考えられます。
色んな所で条件が整うのを待っているのですね。
こういう状態を「胞子バンク」というのです。
少し話が胞子に逸れてしまいました。
”朔”に話を戻しましょう。
この”朔”もよく出来ています。
高倍率の虫眼鏡でその先端を見てあげると
何やらギザギザしている歯のようなものを観察できます。
”朔歯”です。
これを開けたり、閉じたりして胞子を飛ばすタイミングを
調節しているのです。
どうやって?
湿度に反応するようになっているのです。
これもコケの種類によって違うのですが
乾燥時に開くタイプ、これは地上性のコケに多く見られます。
風にのってどこまでも行くので乾燥時がいいわけです。
湿潤時に開くタイプ、これは樹上性のコケに多いようです。
雨などに胞子が運ばれて木の幹に流されるのを期待しているのでしょう。
では、”朔”から胞子が飛ぶ季節
つまり”コケの花”が咲く季節は決まっているのかと言うと
①晩秋~初春にかけてのタイプ
②春~初夏にかけてのタイプ
この2つに大別できるようです。
だから、皆さん、これから”コケの花”観察の
シーズンがやってくるわけですよ!!
この秋はルーペ片手に
ウロウロすると楽しいかもしれませんよ。
そして、観察に観察を重ねた結果
最後は・・・
我が上に やがて咲くらん 苔の花
(一茶)
自分の墓が苔むして、苔の花が咲く。
ここまで想いを馳せながら
コケ観察できたなら
究極ですよね。
ガクでした。
|2009年09月23日 08:22
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あたかも博物誌を読んでいるような解説。岳さんの博識に感動しました。
ガイドの皆さんがそれぞれ得意分野で切磋琢磨されておられる様子が伺われるリポートでした。
ogatyuさん
こんにちは。
博物誌!?
そこまで言って頂けると照れますね(笑)
ありがとうございます。
知っている好きな事を書いただけでなんです。しかし、切磋琢磨は必要ですからね。たとえ一人だけ興味津々と言われようが頑張りたいと思います。



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