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上高地節気

処暑 僕だけ興味津々~棘の世界2~

前々回の興味津々でお伝えした、「棘の世界」。

今回はちょっと趣向を変えて、

「痛くないトゲ」たちをご紹介したいと思います。

 

前回ご紹介したトゲたちは、身を守るための武器ですから

痛くないと効果がありません。

でも今回ご紹介するトゲたちは、痛くないんです。

 

ひとつめは、これ。

オオダイコンソウ 

オオダイコンソウ(大大根草)の実です。

…漢字で書くと、なんか間抜けな感じがしますが…。

 

こんなにいがぐりいがぐりしているのに、

全く痛くありません。

なぜかと言いますと…。

オオダイコンソウ拡大

じゃじゃん!

棘の先が丸まっているんですよ~!

 

こちらもそうです。ウマノミツバ(馬の三葉)の実。

ウマノミツバ

拡大すると…。

ウマノミツバ拡大!

ほら!やっぱり先が丸まっています。

 

続いては、キンミズヒキ(金水引)の実。

キンミズヒキ

こちらも同様。

キンミズヒキ拡大!!

 

そして、これらと同じ形をしている人工物が、こちら。

まじっくてーぷ!

…何の拡大写真かわかりますか?

 

くつ

靴の…。

マジックテープ

はい!これ!

マジックテープの硬い方です。

 

察しの良い方はもうお気づきかと思いますが、

先ほどご紹介した実は、全て「くっつきむし」なのです。

 

「くっつきむし」は、専門的には「付着散布種子」と呼ばれます。

まあ要するに、人の洋服や動物の毛にくっついて、

遠くへ連れて行ってもらおうとしている種、ですね。

 

今ご紹介した3種類は全て、マジックテープと同じしくみで

布やら毛にくっつきます。

 

トゲの先っぽをいちいち丸くするなんて、なんて芸が細かい!

 

この「くっつきむし」たち、まったく別の種類の植物ですし、

(オオダイコンソウとキンミズヒキは同じ「バラ科」ですが)

トゲの起源もみんなバラバラなんです。

 

オオダイコンソウは、めしべの花柱。

ウマノミツバは子房の毛。

キンミズヒキは萼筒の先っぽ。

 

それぞれが「くっつきたい!」という同じ目的に向かった結果、

アプローチはバラバラでも、同じような形になったと

いうわけです。

こういうのを、「収斂進化(しゅうれんしんか)」と言います。

 

さて、続いてはちょっと趣向を変えて、

茎に生えたトゲをご紹介します。

 

秋の花、ミゾソバ(溝蕎麦)。

ミゾソバ

茎を拡大してみましょう。

ミゾソバ拡大!!!

びっしり列になって生えたトゲ。

なかなかすごい迫力です。

 

こちらは名前がすごい、アキノウナギツカミ(秋の鰻攫)。

アキノウナギツカミ

拡大すると…。

アキノウナギツカミ拡大!!!!

「ウナギつかみ」の名は伊達ではありません。

さらに拡大してみましょう。

さらに拡大!!!!!アキノウナギツカミ 

こんな感じ。

このトゲも、触ったからと言って別に痛くはありません。

ちっちゃいトゲですからね~。

そしてこの2種類は、トゲの向きがミソなのです。

 

写真を見ると、トゲが下向きに生えていますよね?

このトゲでまわりの植物にひっかり、よじのぼって

いくんだそうです。

そう言われてみれば、ミゾソバもアキノウナギツカミも

茎がひょろひょろしているような気がします。

 

茎がひょろひょろだからトゲを持ったのか。

トゲがあるから、茎を丈夫にする必要がなくなったのか。

卵が先かニワトリが先か、みたいな話ですが

いずれにしても、よくできていますよね。

 

前にもどこかで書いたかもしれませんが。

トゲにも、葉っぱにも、花にも、実にも、

ちゃんとその形になった理由があります。

 

あるべきものが、あるべき場所に、あるべき形で存在する。

それが自然の巧みさであり、美しさだと思うのです。

 

トゲを見ながら、そんな自然の姿に思いをはせてみては

いかがでしょうか?

 

さくら

|2010年08月23日 19:43

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コメント

よく調べましたね。
山を歩くと、良くズボンにくっついてきます。
それも触ると痛いんだよね。

上高地は、植物学、昆虫学の宝庫のようですね。

今までの分も合わせて
集大成したら面白いかもしれませんね。

わっちゃん | 2010年08月23日 20:46

毎朝、五千尺ホテルさんから配信されている写真をみてから、こちらを拝見して一日が始まるんですよ(笑)

草花の”とげ”にもいろいろあるんですね。
マジックテープも仲間に入るとは…!
勉強になりますね。

皆さんそれぞれに、お得意な分野があるみたいで…。
わっちゃんさんの仰るように一冊の本になりますよね。

毎朝、伺うのが楽しみ…(^v^)

kiyoko | 2010年08月24日 09:28

NPG各位のご報告は夫々専門分野が分かれていて、楽しいのですが、さくらさんの植物自然学が最高に興味が惹かれます。
早速庭のゴーヤと朝顔の蔓を調べました。朝顔の蔓は全くお説のとおりでしたが、ゴーヤのほうは下向きのとげは無く、細い腕を沢山派生させてからみつく方法で伸びていました。

ogatyu | 2010年08月24日 09:33

わっちゃん様

コメントありがとうございます。
服についたくっつきむしって、本当に痛いですよね…。
子供の頃、投げて遊んでいて非常に不快な思いをし、後悔した思い出があります…。


kiyoko様

コメントありがとうございます。
マジックテープは、くっつきむし(ゴボウのタネ)からヒントを得て発明されたらしいですよ。
間もなく繁忙期が終わるので、HPの更新頻度も増やしたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。


ogatyu様

コメントありがとうございます。
朝顔の蔓にもトゲがあるんですね!知りませんでした…(昔、育てたはずなのに)。
色んな蔓を観察してみるのも、また新たな発見がありそうで面白そうですね。

さくら | 2010年08月24日 19:59

今回はトゲをテーマにした上高地の植物達。上高地は夏が終わり、だんだんと秋めいてきて植物達は、自分の子孫を残そうと頑張っているのですね。植物達をあたたかく見守ってあげたいものです。

FALCON | 2010年08月29日 07:05

FALCON様

コメントありがとうございます。
上高地も実りの秋になりました。
花子とレイは、キンミズヒキにくっつかれているサルを見かけたそうです。

さくら | 2010年09月03日 14:09

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