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上高地節気

小暑 僕だけ興味津々~萼七変化~

哺乳類の祖先は、5本の指を持っていたのだそうです。

人間では5本の指全てが残り、物を掴む形になりました。

ウマでは、速く走れるよう、1本の指だけが残って

ひづめになりました。

コウモリでは、指の間に膜が張って、翼になりました。

パンダは、本物の指は5本ですが、別に突起状の骨があり

7本指のようになっています。

 

何が言いたいのかと言うと。

「指が5本」という基本形から、実に様々なバリエーションが

生まれているということ。

花も同じ―と、いうことです。

 

えー、前置き長くなりましたが、結局植物のお話です。

 

花の基本形は、ざっくり言うと以下のような構造に

なっています。

花の構造

①めしべ

②おしべ

③花弁(かべん)/花冠(かかん)

④萼片(がくへん)/萼(がく)

⑤花托(かたく)

 

花冠というのは、ひとつの花の花びら(花弁)を

まとめて呼ぶときの呼び名。

萼も、1枚1枚だと「萼片」、全部まとめて「萼」と呼ばれます。

花托というのは、①②③④がくっついている、

茎のような部分です。

 

おしべとめしべは、タネを作るという重要な役割を持っていますし

花びらはまぁ、一番華やかな部分ですよね。

それらにくらべてなんとも地味な萼。

 

この「僕だけ興味津々」のコーナーは、

マニアックなところに光を当てるのが売りですので!

今回は、萼に注目してみたいと思います。

 

まずは典型的、というか、一般的な萼を、

タカネザクラ(高嶺桜)で紹介します。

タカネザクラの萼 

こんな感じ。矢印で示した赤い部分です。

おしべやめしべ、花びらを保護したり支えたりするのが

一般的な萼の役割。

 

お花はやがて実になるので、萼だった部分が

実にも残ることがあります。

 

ちなみにカキ(柿)のヘタは萼にあたり、

光合成をして実に栄養を送ってもいるんだそうです。

「摘果する時にはヘタが大きいものを残した方がいい」と

高校で教わりました。

※摘果:果樹などを育てる時、良い実をつけるために

実を間引くこと。

 

さてさて、この辺で、色んな萼のバリエーションを

見てみましょう。

ラショウモンカズラ

ラショウモンカズラ(羅生門蔓)。

ラショウモンカズラの萼

こんな感じで、筒状になった萼を、「萼筒」といいます。

さっきのタカネザクラにも萼筒があります。

ちなみに、萼筒に毛があるタカネザクラは、変種で

「チシマザクラ(千島桜)」と呼ばれたりします。

花柄には毛があって萼筒には毛がないと

「ケタカネザクラ(毛高嶺桜)」だったり…。

植物を調べる時には、意外に重要なポイントです。

※花柄(かへい):読んで字のごとく、花の柄。

 

こちらは、キジムシロ(雉蓆)。

キジムシロ

よ~く見ると…。

キジムシロ拡大

萼片が2種類あります。

大きいほうが萼片、小さいほうが副萼片。

萼片の起源は葉だと言われているのですが、

(というかめしべもおしべも花弁も葉が起源なのですが)

この副萼片は萼片にとっての托葉(たくよう)にあたるそうです。

ちなみに托葉というのは、葉っぱの付け根についている

小さい葉っぱ状のもののことで、…詳細はまた次の機会に。

 

クルマバツクバネソウ

クルマバツクバネソウ(車葉衝羽根草)。

こんな、お花だかなんだかわからないような色でも(失礼)

お花の基本形はちゃんと忠実に守っているんですよ。

クルマバツクバネソウの花のつくり

①めしべ

②おしべ

③花弁

④萼片

です。

 クルマバツクバネソウの萼片

萼片、ずいぶん頼りない感じになっています…。

 

ちなみに花冠と萼のことをまとめて「花被(かひ)」と言い、

花冠は「内花被」、萼は「外花被」ともいいます。

 

区別(役割分担)がはっきりしている場合は「花冠と萼」、

はっきりしていない場合は「内花被と外花被」と

呼ばれることが多いです。

 

区別がはっきりしていない例を挙げると、

ニッコウキスゲ

これです。

ニッコウキスゲ(日光黄菅)。

ニッコウキスゲ花被 

赤い矢印が内花被片(つまり花びら)、

白い矢印が外花被片(つまり萼片)です。

ニッコウキスゲ後ろから

こうして後ろから見ると

外花被片と内花被片

赤矢印で示した内花被片は、白矢印で示した外花被片より

内側にあります。

ユリの仲間には、6枚の花弁に見えて

実は外花被片3枚と内花被片3枚、というものが多いです。

 

さて、今までに紹介した花は全て、

ちゃんと萼と花冠が揃っていましたが

花被が片方しかない、というお花も存在します。

ニリンソウ

ニリンソウ(二輪草)です。

閉じたニリンソウ

閉じたところがこちら。

二重になっているように見えますが、

これらは全て外花被片、つまり萼片なのだそうです。

ニリンソウは、花びらを持たないお花なんですね。

 

このヤチトリカブト(谷地鳥兜)も、ちょっと変わりものです。

ヤチトリカブト

紫色の目立つ部分は、萼片です。

じゃあ花弁はどこかと言うと…。

ヤチトリカブトの花弁

ここ!

2本、棒状に並んでいるこれが、トリカブトの花弁です。

萼片に守られながら、蜜を蓄えてハチを待っています。

萼片と花弁が上手に役割分担している例ですね。

 

植物たちは、より効率よく生きていくために

パーツの形や色を変え、いらないものは捨てながら

現在の姿になってきました。

 

この植物はどんなつもりでこんな姿をしているんだろう?

答えは出なくても、そんなことを考えながら植物と向き合うと

お散歩がちょっと楽しくなりますよ。

 

▽さくら△

|2011年07月07日 08:01

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コメント

草花の豆知識のご提供ありがとうございます。花もいろいろ時代に即応して変化しているのですね。自然から今の生活に行かせるものいろいろあると思います。いろいろなものに興味をもって日々の生活に生かしていきたいですね

FALCON | 2011年07月07日 11:22

WAFAではお世話になりました。DM配信もありがとうございます。
先日の水害、大丈夫ですか?初めて、ホームページを拝見させていただきましたが、興味深いですね。植物は弱いので、勉強になります。
時々訪ねますので、面白い情報お願いします。

hal+ | 2011年07月07日 20:08

FALCON様

コメントありがとうございます。
「自然界で生き残れるのは、最も強いものでも最も賢いものでもなく、変化に適応できるものである」とはダーウィンの言ですが、人間の生活にも活かせることがありそうですね。


hal+様

コメントありがとうございます。
ご無沙汰しています!
知れば知るほどおもしろい植物ワールド、少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
今後ともよろしくお願いします。

さくら | 2011年07月08日 08:54

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